訪問介護の自立支援
~自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助~
訪問介護の身体介護には排泄や入浴の介助などと並んで「見守り的援助」というものがあるのをご存じでしょうか?これは利用者の自立生活支援・重度化防止のため「ADL(日常生活動作)・IADL(手段的日常生活動作)・QOL(生活の質)向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等」という内容で平成30年4月1日から具体的な内容の明確化が行われたものです。
具体的な例としては、利用者の移動時、転倒しないように側について安全確保と歩行状態の観察を行うことで日常生活の中で歩行の機会を確保する、ヘルパーが手助けや声掛け、見守りをしながら利用者と一緒に掃除・整理整頓を行う、認知症の高齢者がリハビリパンツやパッドの交換をする際に見守り・声掛けを行うことにより一人で出来るだけ交換し後始末が出来るように支援するなど、ほかにもさまざまな内容があります。単純に「やってあげる」のではなく、自立を後押しするかたちで安全に配慮し、寄り添って「共に行う」支援として位置づけられています。
利用者の多くがデイサービスやデイケア、訪問リハビリなどにより機能訓練を行っていますが、その訓練を日常生活の実用的な動作に繋げる部分では、行える機能訓練の場所や時間が限られていたり、日々の自宅内での動作を繰り返し確認、観察することが行えないケースも多く、私自身も訪問介護以外の経験の中では大変難しいと感じる場面が多々ありました。その経験からも自宅内で日常生活の支援をするヘルパーが、専門的な知識・技術・自立支援の視点を持ち援助をすることが、機能訓練の成果を実用的な動作に繋げて行くことへの一手段となるのではないかと考えます。「自立生活支援のための見守り的援助」もより多くの方に知っていただき、介護保険の本質をとらえた援助が行えるよう望みます。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
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