26日の「文化財防火デー」を前に、箱館奉行所(丸山千明館長)で18日、防災訓練が行われた。同奉行所職員や市消防本部隊員ら約40人が参加し、火災発生時の一連の対応を確認した。
同奉行所での訓練は2016年度以来。奉行所内の表座敷から火が出たという想定で行われた。職員が火元を確認後、119番通報し、スタッフとともに建物内にいる来館者やスタッフを非常口へ誘導。全員が屋外へ避難した後、消防隊員が3本のホースで素早く放水した。
今回、職員は建物内に設置された消火栓を実際に使い、初期消火をスムーズに行うための使用手順を確認した。丸山館長は「避難時の基本は客の安全第一。けが人や死者が出ないことを目標に真剣に臨んだ」と振り返った。市教委文化財課は「避難経路が頭に入っていたので、他の文化財の手本になる真剣な訓練だった」としている。
市と市消防本部は毎年、訓練と防火査察を行うが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため訓練のみの実施としている。(長内宏人)