【木古内】今年で191回目を迎える佐女川神社の伝統神事「寒中みそぎ祭り」が14日、同神社の境内で始まった。行修者と呼ばれる4人の若者たちが昼夜を問わず冷水を浴び心身を清める「水ごり」と呼ばれる厳しい鍛錬が始まった。
今回の行修者は、別当の石川将さん(23)=公務員=、稲荷の菊地隆仁さん(17)=高校生=、山の神の田澤宏基さん(25)=公務員=、新たに弁財天を木水拓海さん(21)=会社員=が務める。
同神社の氏子総代会は、新型コロナウイルスの感染拡大で“祭り”を中止する考えだったが、1831年から続く伝統神事であることや、行修者から「御神体を清めさせてほしい」との声もあり、境内での「水ごり」で御神体を清める儀式とし、感染症対策を講じて2日間に短縮した。
初日は午後6時から社殿で参籠(さんろう)報告祭が執り行われた。野村広章宮司が祝詞を上げ、白装束に身を包んだ行修者が鍛錬に入ることを神前に報告。下帯姿となった行修者は、社殿から石段を下りて「水ごり」に臨んだ。氷点下の極寒の中、気合いとともに冷水をかけあう行修者の真剣な面持ちを、関係者らは神妙な表情で見守っていた。
別当を務める石川さんの叔母、八雲町の石川留美子さん(57)は「4年間頑張る姿を見守ってきた。関係者だけとなって残念だがお疲れさまと言いたい」と感慨深げに話していた。(佐藤由紀彦)