市立函館保健所は14日、函館市内で新たに16人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。日別での判明数は昨年11月18日の14人を上回り最多となった。同日に同保健所の山田隆良所長が会見し、1月の2週間だけで新規感染者が80人ほどに増加。年末年始の帰省や往来を起因とする感染が多いことを受け、「憂慮すべき事態。市民や事業者に対して改めて感染予防の徹底をお願いしたい」と訴えた。(長内宏人)
同保健所によると、新たに感染が分かったのは10歳未満~70代の男女15人と年代非公表の女性1人。このうち13人はすでに感染が判明している市内または道内患者の濃厚接触者。
20代の男女と30代女性は感染経路不明。このうち20代男性(自営業)は札幌市在住。11日に発熱や鼻汁の症状があり、13日に函館市内の医療機関を受診した。
いずれも、13日に市衛生試験所または市内医療機関でのPCR検査で陽性を確認。軽症か無症状で会話可能。海外渡航歴や流行地への旅行歴はなく、市内宿泊療養施設への入所を調整中。濃厚接触者は現在調査している。
市内では昨年11月に1件、同12月に2件のクラスター(感染者集団)が発生。山田所長は「マスクなどの適切な防御策をとらずに長時間会話や飲食することで感染が広がったケースもある。拡大防止には、持ち込まれたウイルスを早く発見して広げないことが必要」と強調した。
市内の感染状況は昨年12月~1月にかけ一変。同12月の新規感染者は89人、1月は13日検査分を含め、すでに84人と増加ペースが急加速している。山田所長は「市内医療機関や宿泊施設に50~60人近くの患者がおり、増加している。ひっ迫に近い状況になりつつある」と警戒感を示した。その上で、「家庭内や職場内でも3密を避ける、マスク着用、手洗いや消毒などの対策を市民一人一人が日常的に実施し、感染を広げないよう対策をお願いしたい」と述べた。