函館の創作凧(たこ)師、故梅谷利治さん(1929~2017年)の作品を使った凧揚げ会が9日、函館港の緑の島で開かれた。約30人の親子らが集まり、干支(えと)の丑(うし)をモチーフにした連凧や天龍を空に揚げ、願いを天に届けた。
NPO法人体験塾SUMOCCA(スモッカ)の主催。代表の中田嘉明さん(63)は旧函館東高の教諭だった梅谷さんの教え子で、18年から新春の凧揚げ会を開いている。
この日は、体験塾に参加する子どもたちがビニール凧を制作。干支凧制作を晩年まで続けた梅谷さんの作品には愛や平和、夢といった文字が入り、この日は24年前の「天牛二世」などを揚げた。大作の立体凧「あうんの天龍」は風を受ける音を響かせながら、生きているかのように胴体をくねらせていた。子どもたちも中田さんと一緒にひもをつかみ、その感触を楽しんだ。
毎年参加している函館弥生小学校3年の村上友哉君(9)は「いろいろな凧を揚げて楽しかった。龍は力を入れないと(体ごと)飛んでいきそうだった」と話していた。(今井正一)