酒を愛する大将夫妻が築く昭和酒場の風情を満喫
往年の銀幕スターや女性アイドルのポスター、ねじ巻き式の柱時計に年季の入った古道具。時代の空気をまとう骨董品が飾られた「呑み処たまゆら」は、函館駅前の複合商業施設「ハコビバ」内に再現された昭和レトロな街並みにひと際良くなじむ。七飯町の「大沼ビール」や北海道限定の清酒など、地元色豊かな酒と味わえるのは、道南の食品卸売会社直営店ならではの自慢の食材を生かした、飲兵衛の心を掴むつまみ料理。店を切り盛りする大将夫妻は飲み歩きが大好きで、足しげく通う店で特別にレシピを教わった「なまこ酢」やサメと鶏の軟骨をトビッコで和える珍味「梅水晶」など、自分たちが気に入った味だけを並べるメニューは全てが自信作。大将が「今年のは最高の味」とトキシラズやコマイの焼き物をすすめると、「こっちもおいしいよ」と女将さんがさらに一品出してくれる。カウンター越しに会話を楽しみながら次々と料理をつまむと、気付けばグイグイと杯が進む。
開業から1周年。コロナ禍に見舞われ大変なことも多いが、「地元の常連さんに支えられてここまで来られた。本当にお客さんに恵まれています」と嬉しそうに話し、酒を酌み交わすことで結ばれる人との絆をしみじみと教えてくれる。
(ハコラク 2021年1月号掲載)
呑み処 たまゆら
函館市若松町12‐8ハコビバ内
☎0138‐76‐4759
18:00~22:00(21:30L.O)
※土曜は17:00~
火曜定休
禁煙 提携P有り
キャッシュレス決済利用可