少女小説「なんて素敵にジャパネスク」など数多くのヒット作品を世に送り出し、2008年に51歳で亡くなった岩見沢市出身の作家、氷室冴子さんの特別企画展が、函館市中央図書館(五稜郭町26)で開かれている。24日まで。
少女小説の先駆者とも称される氷室さんの功績を後世に伝えようと、岩見沢市立図書館が企画。小樽市や十勝管内幕別町など道内各地で出張展示を行っており、函館での開催は初めて。
氷室さんは、1980~90年代にかけ集英社コバルト文庫の看板作家として75作品を執筆。累計発行部数は2000万部を超え、現在も根強い人気を誇る。企画展では、84年発表の小説「なぎさボーイ」の自筆原稿5枚を展示しているほか、市中央図書館所蔵の氷室さんの著書約50冊を並べている(貸出可)。
また、氷室さんの51年間の生涯を写真とともに振り返るパネル展も同時開催。出生から幼少時代を経て、作家としての才能を開花させるまでの秘話などを詳細にまとめている。同館担当者は「作品を知っている人も知らない人も、氷室さんの作品から得るものがたくさんあると思う。ぜひ一読を」と呼び掛けている。
午前9時半~午後8時。水曜休館。(長内宏人)