函館水産物商業協同組合(佐藤止昭理事長)は9日、「鯨の日」に合わせクジラベーコンと塩クジラを特売する。道南の正月料理で欠かせないクジラを市価より2割安く提供。市内の鮮魚店やスーパー約100店舗で購入できる。
道南では、正月料理として塩クジラを使った「くじら汁」を食べる習慣があり、2004年から毎年12月に特売を企画している。
これまでアイスランド産ナガスクジラを使っていたが、今年は新型コロナウイルスの影響で現地の加工場が操業を停止し、ナガスクジラが手に入りづらくなった。そこで、南極海で捕れたミンククジラに切り替えた。ミンクは高級品のため製品の内容量も従来より20グラムずつ減らしたが「肉質が軟らかく、おいしい」(佐藤理事長)という。
函館市昭和3の水産加工業「成尚」が原料を仕入れ、製造したもので、ベーコン(1パック80グラム入り)、塩クジラ(同150グラム入り)とも1000円(税込み)。ベーコンは4000パック、塩クジラは1500パックを用意する。
佐藤理事長(78)は「今年はコロナの影響で自宅で正月を過ごす機会が多いと思うので、家族みんなでクジラを味わってほしい。若い世代にもクジラの食文化を広めたい」と話す。
問い合わせは、同組合(0138・22・5804)へ。(山崎大和)