函館戸井西、日新小学校、潮光、日新中学校の4校が統合し、来年4月に開校する「戸井学園」。開校に向け、校歌の作詞作曲を函館市教委の辻俊行教育長(60)が手掛けた。「学校に通ったり、勉強に励んだりする子どもたちの姿を思い浮かべながら作った。新型コロナウイルスの影響もあるが、早くみんなが元気に校歌を唄える日が来てほしい」と市内初の義務教育学校の誕生に思いを込める。(飯尾遼太)
4校の学校関係者らが開校を見据えたさまざまな事業や計画を協議する統合準備委員会から依頼を受け制作。小学1年~中学3年までの児童生徒がともに学ぶ9年制の義務教育学校の導入にあたっては道内の先進事例を視察し、子どもたちがより学びを深められる教育環境を模索してきた。辻教育長は「義務教育学校の導入は地域にとっては大きな決断で、理解と協力あってこそ実現できた。校歌制作を通じて感謝を伝え、地域の人々の敬意に応えることができるのでは」と依頼を快諾。昨春から趣味のギターで半年ほどの期間を経て、完成した。
4校の校歌や戸井学園の教育目標を参考にしたほか、統合後新校舎となる潮光中周辺を視察し、歌詞や曲のイメージを膨らませた。また、低学年でも歌えるよう簡単なメロディーとし、現代風のコード進行に仕上げた。歌詞では「戸井」「ふるさと」といった言葉を用い、統合も続いていく学校と戸井地域のつながりを表現した。「戸井学園でも地域の人々に見守られながら育ってほしい。子どもたちが良さや可能性を伸ばし、みんなが楽しく過ごせる学校になってほしい」と開校に思いをはせる。