函館出身の喜劇俳優益田喜頓さん(1909~93年)原作で、2009年8月に上演した函館市民ミュージカル「案山子(かかし)物語」のメモリアル上映会が15日午後2時から、函館市民会館大ホールで開かれる。
新型コロナウイルスの影響で、今年度の函館市民文化祭の舞台部門として上映する。
戦前から喜劇俳優、ミュージカル俳優として活躍した喜頓さんは90年に函館に帰郷。「案山子物語」を考案し、94年3月に控えた初演に向けて準備を進めていたが、93年12月に死去した。05年にも再演し、09年は函館と喜頓さんゆかりの東京・浅草でも公演があり、好評を博した。
物語は、大野平野に立つかかしの「ペコ」が主人公。台風で飛ばされてしまったペコは、神さまとの約束で、笑顔や怒り、悲しみの「3つの顔」を手に入れるために世界中を駆け巡る。「自分探しの旅」を根底に据えた普遍的なストーリーを、毎回、指導や舞台スタッフ、出演者まで多くの市民が参画して制作してきた。
同館の平形知行さんは「上演から11年がたった今、映像で作品を見ても色あせることはない。市民会館からまた新たな作品が生まれることを期待しながら、上映をお楽しみいただきたい」と話している。
入場無料だが、同ホールと芸術ホールで配布している整理券が必要。座席数は半分に制限。上映時間は約2時間で休憩あり。問い合わせは同館(0138・57・3111)へ。(今井正一)