【札幌】鈴木直道知事は23日の定例記者会見で、新型コロナウイルスが1日の確認としては過去最多の50人(札幌市、道公表分)となったことに関し「直ちに警戒ステージ(現在はステージ1)を引き上げる状況ではない」とした上で「このまま感染者や入院患者数が増加し、医療提供体制の負担の度合いが増した場合には、専門家の意見も聞きながら警戒ステージの引き上げを検討しなければならない」と述べた。
道内のこれまでの最多は国の緊急事態宣言が出ていた4月23日の45人だった。知事は札幌以外の感染者が多くなり、全道的に感染が広がりを見せていることや、9月のシルバーウイーク(19~22日)以降、道内で計20件のクラスター(感染者集団)が発生していることを挙げ「予断を許さない状況が続いている」と強調。道民に対し、マスクをしていないなど感染リスクが高まる場面での注意を呼び掛けた。
また、知事は今月から各種「Go Toキャンペーン」が順次開催されるほか、海外からの新規入国者の段階的拡大、大学での対面授業の再開など社会経済活動が活発になると指摘。今月中旬に実施した北海道ツアーの参加者と乗務員合わせ12人がコロナ感染を確認した事例を受け、知事は「旅行者は新しい旅のエチケットに留意するとともに、既に予約していても体調が悪いときは旅行への参加を見合わせてほしい」と求めた。第2波を経験した道として、知事は「新北海道スタイルの定着や集団感染の早期抑え込みに取り組み、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていく」と力を込めた。(山崎大和)