函館の地酒「函館奉行」の原料となる酒米吟風の稲刈りと新酒醸造祈願祭が10日、市内米原町の水田で行われた。生産者ら8人が集まり、鎌で稲を刈り取りながら銘酒の醸造を願った。
地酒づくりは、一般財団法人北海道食品開発流通地興(谷沢広代表理事)が企画し、今年で8年目。今年の作付面積は1万6000平方メートルで昨年の6000平方メートルよりも拡大し、8トンの収穫を見込む。12月から仕込みを開始し、小西酒造(兵庫県伊丹市)が醸造。1・8リットルの一升瓶で約6400本を生産する予定。来年2月に新酒が完成する。
この日は、同社の庄司明生マーケティング本部長、谷沢代表理事らが集まり神事を行った後、稲を収穫した。同法人では昨年初めて中国に輸出したのを機に、今後も海外への輸出に力を入れるとしている。
谷沢代表は「8年目でようやく世界に発信できるところまで来られた。地場に根差したさらにいいお酒が期待できる」と話していた。(木村京子)