函館市連合遺族会(浜野幸子会長)は15日、函館護国神社(函館市青柳町、大橋幸生宮司)で戦没者追悼平和祈願祭を執り行った。参列した約20人の会員が戦後75年の歳月と戦没者に思いを寄せ、恒久平和を祈った。
同会は戦没者の遺族の生活支援や追悼行事を開くため、1950年に設立。毎年8月15日に行われる全国戦没者追悼式に合わせ、祈願祭を執り行っている。今年は新型コロナウイルスの感染防止で参列者を制限したほか、君が代の斉唱はメロディーのみを流した。祝詞を奏上し、玉串は代表者4人がささげた。参列者は同日正午のサイレンに合わせ、黙とうし、戦没者を慰霊した。
浜野会長は「戦後75年がたっても、遺族は悲しい思いを忘れることはない。コロナ禍で世界中が戦争と同じように苦しんでいるが、戦没者の方々は安らかに眠り、天国から見守っていてください」と追悼した。
会員の函館市日吉町の相原知恵子さん(84)は父が31年の満州事変に出征し、知恵子さんが6歳のとき、樺太で病死。戦後、母とともに引き上げ、函館に移住した。「父のことはあまり覚えていないが、母も結核で戦後もとても苦労した。戦争の記憶はだんだん薄れてしまうが、世界中から戦争がなくなってほしい」と平和を願った。(飯尾遼太)