新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は解除されたが、3密(密閉・密集・密接)の状態が起こりやすい飲食店では、これまで以上に感染予防対策が求められている。函館市内の店舗でも客席の間隔を広げたり、来店客に体温測定の協力を求めたりするなどの取り組みが広がっている。
ホテルテトラ(三浦孝司社長、梁川町)が運営する本館1階の中国料理店「チャイニーズキッチン龍鶴」は8日から、客席を半分程度に減らすなどの対策を講じた上で、4月20日から休止していたランチバイキングを再開する。
テーブル間の距離を2メートル程度とり、1度に入店できる組数を10組に制限。また、来店客に手指のアルコール消毒、マスクの着用、料理を取る際には備え付けのナイロン手袋を使用するなどの協力を求める。
吉川政見支配人は「ランチバイキングの問い合わせは非常に多く、最大限の感染予防策を講じて再開していきたい」と話している。
松風町のすし店「はこだて鮨金総本店」(森村博社長)は飛沫感染対策として、客席の間にアクリル板の仕切りと、板場とカウンターの間に透明のシートを設置した。
客席用の仕切りは、高さ約60センチで、台座を木製にするなど店の雰囲気に合うよう工務店に特注した。シートは縦1メートル10センチ、横80センチで、計5枚を天井から吊るしている。
森村社長は「お客さまとの顔を合わせた会話を大切にしているので、カウンターのシートはできるだけゆがみが出ないものを選んだ。多くの方から安心して食事ができるとの声をいただいている」。
松風町の「SHOT BAR TSUBAKI(ショットバー ツバキ)」(辻みどりオーナー)では、非接触型の電子体温計を置き、来店客に体温測定の協力を求めている。
体温計は額から5センチほど離した場所でボタンを押すと数秒で体温が表示され、37度以上の場合は利用を断っている。山本理恵店長は「初めてのお客さまでも快く協力していただいている。安心して楽しんでもらえるよう、これからもできる限りの対策をしていきたい」と話している。(金子真人)