函館市は22日、市内に住む60代無職の男性と30代市職員の女性の2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。市内で感染が確認されたのは7人となった。市は女性職員と同じ部屋で業務に当たっていた職員12人を自宅待機とし、部屋などの消毒を行った。窓口は「消毒を徹底している」として閉鎖しない。
男性は9~11日に持病の治療のため、国立病院機構北海道がんセンター(札幌)に入院。11日中に帰函した。13日に38度台の発熱とせき、頭痛が出たが、14日に症状が改善したという。16日に味覚と嗅覚に異常があり、自宅で経過を見ていた。21日にかかりつけの医療機関に電話相談し、この医療機関が「帰国者・接触者相談センター」に相談。同日、市衛生試験所で検査を行い、陽性が判明。22日に渡島管内の感染症指定医療機関に入院した。
同センターでは22日までに40人以上が院内感染し、クラスター(集団感染)が発生している。記者会見で平井尚子副市長は「がんセンターで最初の感染者が確認されたのは16日。潜伏期間を考えると、そこで感染した可能性が高い」と説明した。
女性は男性の濃厚接触者で、19日に37度台の発熱があり、20日は一時解熱したためマスクをして出勤した。その夜に38度台の発熱と倦怠感が出た。21日に同試験所が検査を行い、陽性が分かったため、22日に管内の感染症指定医療機関に入院した。
女性は市役所本庁舎4階の市民部市民・男女共同参画課で事務を担当。市民と窓口で接する業務にはついていないという。同部では37度以上の熱はないものの、だるさを訴えて21日から休んでいる職員が1人いるといい、22日にPCR検査を行った。
2人は同居しており、他に同居する家族はいない。ともに軽症で、会話が可能。海外渡航歴は2人ともない。市立函館保健所が行動歴や濃厚接触者について調査を進めている。(稲船優香)