函館水産高校(亀山喜明校長)の2年生40人を乗せた道の実習船「若竹丸」(692トン)が7日、1カ月半の乗船実習を終えて函館港に帰港した。マグロはえ縄漁業実習も兼ねており、ハワイ沖で捕ったマグロ40本約840キロも水揚げされ、出迎えた多くの保護者らからも大きな歓声が上がっていた。
海洋技術科と機関工学科の生徒各20人が乗船。1月24日に函館港を出航し、航海術やエンジンメンテナンスなど船に関わるさまざまな実習を行いながら、はえ縄漁にも挑戦した。
ハワイ沖では昨年の倍となる6回の操業を行い、メバチマグロやキハダマグロなどのほか、130キロのクロカワカジキも捕獲した。昨年から漁獲から販売までを一貫して実施しようと、水産物卸売会社「カネシメ高橋水産」(札幌)が協力し函館で水揚げ。6月ごろには市内や近郊のスーパーで販売する予定。
船からマグロが次々とクレーンを使ってトラックに運ばれると、集まった保護者らは「大きい」など歓声を上げて見入っていた。長期実習を終え一回り成長した子どもたちが下船すると「お帰り」と声を掛けていた。市内の主婦(40)は「無事に帰ってきてくれてうれしい。肉じゃがが食べたいと言っていたので作ってあげたい」と話していた。
新型コロナウイルス感染防止対策として寄港する静岡県の清水港では下船を取りやめ、函館港帰港の際もすぐに帰宅できるように対応した。
機関工学科の山口柊さん(17)は「疲れたが一生に一度の体験ができた。マグロが揚がってくるのを間近で見れて良かった。ハワイでも楽しい思い出ができた。家に帰ったらハンバーグが食べたい」と笑顔だった。(小杉貴洋)