新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国的に献血協力者が減少している。函館市内でも、外出を自粛する動きや企業での献血キャンセルなどが出ており、この状況が続けば血液不足が懸念される。道赤十字血液センター函館事業所の石川清臣所長は「これほど一気に減少するのは経験がない。収束が見通せない中、安定的に患者へ血液を届けるため、一人でも多くの人に協力してほしい」と呼び掛けている。
同事業所(日乃出町)は、併設の採血施設での受け入れを2019年1月末で終えており、現在は道南22市町村の施設や企業などを回る移動献血車1台で献血を受け付けている。
2月25~28日の献血者は計画の205人を57人下回る148人で、目標達成率72・2%と大きく落ち込んだ。
3月2~5日も164人で、計画比マイナス19人。3月中の献血車派遣は「外部の人を敷地内に入れられない」と3件キャンセルがあったという。うち2件は過去に行った企業に依頼し、どうにか確保した。
函館事業所管内で採血した血液は、いったん札幌のセンターに送り、検査を経て製品化、各地の医療機関に届ける。
同事業所が3日間供給できる適正な在庫(全ての血液型合計)としているのは、200ミリリットル12本、400ミリリットル236本。医療機関から求められるのは400ミリリットルが約9割を占めている。今のところ札幌からは届いているが、道内全体では不足し、空輸で道外から調達している状況だという。
献血車では、非接触型の体温計で検温し、37・5度以上の熱があれば献血を辞退してもらうほか、職員はマスク着用や手指消毒を徹底し感染対策を講じている。
商業施設での献血は、8日午前9時半からイオン上磯店(北斗市七重浜4)、15日午前9時半からメガドン・キホーテ函館店(美原1)、16日午後2時半からトライアル上磯店(七重浜7)を予定している。(木村京子、稲船優香)