ママが繋いでくれる人との出会いと楽しく飲み語らうリフレッシュの時間
2018年、繁華街の中心地に小さな看板を掲げた「函館おふくろの味 ひふ美」。関東や関西で長年飲食店を営んできたママ・小坂弘子さんと漁師をしている永一大将が、〝かあちゃん〟の味を思い出す昔懐かしい小料理や函館らしい新鮮な魚介を振る舞い、あたたかなもてなしに夜な夜な人が集う。 休日の楽しみは夫婦での飲み歩きという藤巻さん。人にすすめたい店をまとめたオリジナルマップを作るほど、本町界隈をはじめ、大門地区、湯川方面と多くの店を開拓してきた。店選びでは料理がおいしいことはもちろん、店の人と親しくおしゃべりできる雰囲気も重視。何度も通いたくなる店はそう多くはないが、夫・雄人さんの案内でこの店を訪れると、「ママの人を飽きさせないトークやカウンターしかないコンパクトな距離感が良い」と気が付けば翌日にも足を運んでしまうほどにとりこになっていた。
カウンターの奥にずらりと並ぶ品書きを眺めると、「手書きの感じが妙においしそうに見えて、新しいメニューを探すのがいつも楽しみ」とにっこり。時期によっては大将が取ってきた旬の魚介も登場し、「活ナマコ」「ウニ刺」「鶏たたき」と好きなメニューは数えきれないが、特にお気に入りなのは「銀ダラ」の焼き物。驚くほどに大きく肉厚な身にはたっぷりと脂が蓄えられ、大根おろしと共にちょっとつまめば、並々と注がれた日本酒がぐいぐいと進む。
「この店で黙って飲んでいる人を見たことが無く、一人で訪れる女性客がとても多い。初めて出会った客同士でも、ママが上手に会話を取り持ってくれるのであっという間に友人になれるんです。話が盛り上がって席を移して一緒に飲んだり、そのまま2軒目に繰り出したこともありました」と楽しそうに話す藤巻さん。ここに来れば誰もが心とお腹を存分に満たされ、笑顔あふれる時間が待っている。
(ハコラク 2020年3月号掲載)
函館おふくろの味 ひふ美
函館市本町4‐25 五番街ビル1F
☎090‐9384‐7452
18:30~24:00
不定休 喫煙可