函館市議会は5日、各会派による代表質問が始まり、3氏が登壇した。工藤寿樹市長は、新年度に函館港に寄港するクルーズ客船に関し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、同日現在で11回のキャンセルが出た一方、新たに7回の予約が入ったことを明らかにした。
日角邦夫氏(民主・市民ネット)への答弁。
函館に新年度寄港する客船数は当初、過去最多だった今年度の47回を上回る延べ50回を予定していた。工藤市長は、各船会社でクルーズ船運行計画の見直しが行われ、アジア周遊クルーズ中止などで11回の予約がキャンセルとなった一方、ルートや日程変更などで新たに7回の予約が入ったとし、「函館への入港数も変わってきており、今後の動向と地域経済に与える影響に最大限の注意を払いたい」と述べた。
現段階で入港回数は延べ46回となるが、市港湾空港部は取材に対し「情報収集に努めているが、日々状況が動いている。4月下旬からの寄港シーズンの前に整理して、あらためて公表したい」としている。
また、クルーズ船専用として整備を進めている若松埠頭(ふとう)について、市長は「新年度は岸壁の完成と水深9メートルのしゅんせつを行い、新たに9万トン級のクルーズ船が接岸できる」とした上で、12万トン級の大型客船が接岸可能となる本格供用に向け、引き続き国に早期整備を要望する考えを示した。
本会議開催にあたり、議員と理事者は全員マスクを着用。市議会は新型コロナウイルス感染拡大防止のため「傍聴をできる限り控えてほしい」と異例の呼び掛けを行っており、議会事務局によると、この日の傍聴者は延べ3人にとどまった。(千葉卓陽)