函館生コンクリート協同組合(正組合員13社、成田眞一理事長)は6日、創立40周年を迎えた。生コンクリートの供給を通して、函館市近郊でインフラや公共・民間施設の建設を支えてきた同組合。成田理事長は「品質の維持はもちろん、組合員各社の協力で安定した供給体制を続けたい」と話している。
セメントと骨材(砂・石など)、水を混ぜ合わせた生コンは、固まる前に工事現場へ短時間で運ぶ必要があるため、製造工場は各地に分散している。7社7工場で設立した同組合には現在、函館市、北斗市と七飯町の一部にある17工場(うち9工場稼働)が加盟。北海道新幹線や高速道路をはじめ、函館アリーナなどの公共施設、函館蔦屋書店などの商業施設の建設に使われてきた。
建物やインフラの耐久性を保証する上で、生コンの品質管理は重要だ。成田理事長は「建設後に不備があってはいけない。『コンクリートは人の命を守る』をテーマに組合と施工業者、発注者が協力して一斉に製造工程を監査している」と話す。
生コンの出荷量は20年前に比べて、半分以下の約15万立方メートルにとどまる。長期的には減少傾向にあるものの、北海道新幹線の建設など需要が急増する時期もあった。
組合は各社による共同操業を推進し、90年代後半から工場の集約化を進める。成田理事長は「中小企業が多く、各社の結束が大事。一部の工場を休止して共同で操業することで、需要へ柔軟に対応していく」と組合型経営の重要性を語る。
働き手の確保も重要だ。組合は小学生にミキサー車の形をした消しゴムを配布し、生コン業界の存在をアピールしている。成田理事長は「地味に見える業界だが、インフラを支える上では新たな担い手が欠かせない」と話している。(深津慶太)