高気圧酸素治療とは~酸素の効能を最大限に生かす~
近年、糖尿病の患者さんが増えています。糖尿病の3大合併症として知られている腎症、網膜症、神経障害はいずれも細い血管の障害から起こる病気です。血管の障害により手や足など末梢の血流が低下することで、傷が治りにくくなります。最近このようなケースに対し従来の治療と併用して高気圧酸素治療を受ける方が多くなっています。
高気圧酸素治療とは、通常の大気圧よりも高い気圧環境の中で酸素を吸入することにより、血液中に酸素を溶かしこむことが唯一可能な治療です。血液中の酸素量は、通常の10~15倍に増加し全身へと拡散します。末梢循環の改善、細菌の増殖抑制、血管の新生・発育を促す効果があるとされ、また、最近ではスポーツ選手の治療や疲労緩和など早期回復を目的として使用されるケースも増えています。
ただ注意しなければならないこともあります。高濃度の酸素は、とても燃えやすく、万が一引火すると大爆発を起こしてしまう可能性があります。特に発火物や支燃性がある物、静電気を起こす物は、絶対に持ち込めませんので医療機関の指示に従って治療を受けていただくことがとても重要です。また、治療時間は約1時間半と長いためテレビを視聴できる環境になっていたり、透明なタイプの装置もあるので閉所恐怖症の方にも比較的配慮された設計になっています。
治療の際は気圧の変化により、耳が痛くなる事がありますが、唾を飲んだり、あくびをするなどの耳抜きと言われる動作をすることで緩和されます。専門スタッフが常におりますので、安心して治療を受けていただくことができます。ほかにもさまざまな疾患に対する治療を行っております。気になる事がございましたら、一度医療機関などにご相談されてはいかがでしょうか。
(ハコラク 2020年3月号掲載)
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