道内で新型コロナウイルスの感染者が相次ぐことを受けて、医療機関や教育現場でも改めて感染症予防対策を徹底する動きが広がっている。
■こまめな手洗い、うがいを
多くの医療機関ではインフルエンザなどの感染流行期となる冬期間には、来院者にこまめな手洗いやうがい、マスク着用などの感染対策を呼び掛けている。
市内のある総合病院は、ホームページ上で発熱や咳などの症状がある人や流行地域への旅行歴がある人など、疑われる人は建物内に入らないよう呼び掛けるポスターを掲示し、連絡を受けた職員が玄関先で対応するといった警戒態勢に。既に入院患者の面会制限を設けた病院もある。
また、臨時の感染症対策委員会を開き今後の対応を検討する医療機関も出てきているが、現段階では特別な対策は行っておらず通常通りの感染症予防策を徹底している状況だ。
一方、函館市教委は20日に小中学校校長を集めた緊急の会議で、手洗いやマスクなど予防策の再度徹底、児童生徒に発熱などの症状がみられた場合の対応などを説明した。卒業式など学校行事の開催可否については「現時点では、換気やアルコール消毒など一般的な感染症対策を施した上で、予定通り実施する見通し」(保健給食課)とする。
25日、3月12日に2次試験を控える市内の国公立大学も対策に追われている。北海道大学は、市内にキャンパスを置く同大水産学部など筆記試験のみで判定できる学部の募集に関して、受験者が新型コロナウイルスに感染・発症した場合は試験を免除し、センター試験の得点や出願書類などから総合的に合否を判定するとしている。面接試験を含む学科は入学受験料を一部返還する。同大は「感染が疑われる受験生は速やかに連絡してほしい」と呼び掛ける。道教育大は新型肺炎やインフルエンザの感染者の受験は認めず、公立はこだて未来大は対応をホームページで公表している。(木村京子、稲船優香、飯尾遼太)