創建当時の姿に復元された旧丸井今井呉服店
随所の細やかな装飾がかつての繁栄を感じさせる
「函館市地域交流まちづくりセンター」は、「復興式」と呼ばれる洋風の外観、縦長の窓、玄関口のドーム型の屋根が印象的。山側の5階建ての塔屋では東北以北最古のエレベーターが今も稼働しており、スタッフの説明を受けながら乗ることができる。1923年に丸井今井呉服店函館支店として鉄筋コンクリート造3階建てで建築され30年までに増築、当時の最新式のエレベーターが取り付けられた。34年の函館大火時に内部を焼失、「より耐火性に優れた建物を」とエレベーターを鉄製に、床や階段をコンクリート張りにして再建。海外から取り寄せた大理石を使用するなど贅を尽くした装飾が、現在も柱や階段の手すり、踊り場にそのまま残る。70年からは市分庁舎、休眠期間を経て2005~07年の大改修で建設時の姿にほぼ復元、市民活動や交流を幅広くサポートする場として生まれ変わった。今も昔も街発展を担う拠点として、観光客だけでなく市民にも広く愛されている。
(ハコラク 2020年3月号掲載)
函館市地域交流まちづくりセンター
函館市末広町4‐19
☎0138‐22‐9700
9:00~21:00
年末年始休館
P有り