在札幌ロシア総領事館のマーリン・セルゲイ総領事が12日、就任あいさつのため函館市の工藤寿樹市長を表敬訪問した。工藤市長はイカの不漁に関し、地元水産加工業者の輸入元確保に向け、地元企業とロシアとの間で合弁会社の設立を提案し、総領事も歓迎する意向を示した。
工藤市長はイカ不漁に関し、地球温暖化の影響でイカの資源がロシア側に大量に行っているはずだと指摘、函館の水産加工業者とロシアの企業とで合弁会社をつくり、函館側は輸入元の確保、ロシア側は加工技術習得に生かすことで「双方にとって利益になるのでは」と提案。7月に平井尚子副市長がウラジオストクの創建160年記念式典に出席を予定しており、「条件が整えば、ロシア側にどの程度資源が行っているのか、調査団を出したい」と述べた。
懇談で総領事は、ロシアと日本とのビザ制度に関し、短期滞在用の電子ビザが来年から全領土に適用されるとしたほか、「タイとの間でビザをなくしたところ、旅行客が増えた」と紹介。市長は「ロシアとは交通の便が良くないが、改善されれば行き来が増えるだろう」と応じた。(千葉卓陽)