函館市の工藤寿樹市長は28日の定例会見で、市が導入を目指している観光目的税について、来年2月の定例市議会に関連条例案を提出する方針を明らかにした。
市が設置した有識者による「市観光振興財源検討委員会」(委員長・奥平理函館高専教授)はこれまでに4回会合を実施。パブリックコメント(意見公募)と宿泊事業者との意見交換会も行った結果、観光施策を充実させるための財源確保の必要性から、「徴収方法が簡素で分かりやすい宿泊税の導入が望ましい」とする提言案をまとめている。徴収することになる宿泊事業者の負担の軽減も求めており、12月中に工藤市長へ答申する予定。
それらを踏まえ工藤市長は導入に向けての見通しとして2月を挙げ、「ホテル業界の要望も踏まえて制度設計に向けた条例案を提出したい。よほどのことがない限りは出す」と明言した。宿泊税は地方税法で認められた法定外税で、総務相の同意を得なければならないことから「総務省と事前に練り合わせ、早急にやるようにしたい」と述べた。課税方式に関しては「定率、定額については検討会議の話を聞いてから」とした。
また、道も宿泊税を検討していることについては「市にも正式に報告はなく、導入している市町村に『上乗せしてください』という話ならお断りするしかない」と不快感を示した。(小杉貴洋)