「細胞や組織をとって検査します」と言われたら…
わが国では、年間で亡くなる方の約3割が「がん」を患い死亡されており、死因別では長年にわたり第1位を占め現在もなお増え続けている状況です。つまり自分は元気だから「がん」にかからないという保証はないのです。
病院を受診した際、担当の先生から喀痰や尿のなかの「細胞を検査してみましょう」とか「しこり(腫瘍)に針を刺して細胞をとって検査します」または内視鏡や手術によって「組織の一部をとって検査します」と言われたことはありませんか?患者さんの体から採取された細胞や組織に薬品で色を付け顕微鏡で直接見て確認し、その細胞が体に悪さをしているかどうか細胞の顔付きや由来を調べる検査を細胞診検査と言い、細胞の塊である組織を詳しく調べる検査を病理組織検査と言います。診察時に直接患者さんに会ってお話をする事はほとんどありませんが、これらの検査による最終診断は専門的な知識や経験を積み認定資格を取得した細胞検査士と病理専門医が担っています。
北海道内には、がんの早期発見と患者さんがどの地域においても専門的な治療を受けることができるように、26施設が地域がん診療連携病院に指定されており、函館市内では4施設が担当し、当院もこの指定を受け専門性の高い医療提供を行っています。また、これらの施設を中心に質の高い技術によって十分な検査が行われるように、全国で900名ほどの認定病理検査技師が配置されており、そのうち北海道内には30名程度在籍し、多職種と連携してがん診療をはじめとする医療に貢献しています。
近年、新たなお薬の開発や手術方法が進歩した事により、早いうちに治療すればがんは治る時代となりました。症状がなくても早期発見のために定期的な受診をお勧めします。
(ハコラク 2019年12月号掲載)
国立病院機構 函館病院
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