一般社団法人アニメツーリズム協会(富野由悠季会長)は、2020年版の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を発表し、函館市は「ラブライブ!サンシャイン!!」など2作品の聖地として選ばれた。
同協会は16年の設立。17年に初めて「アニメ聖地88」(18年版)を発表し、今回が3回目。6~9月に実施したWEB投票に8万票の投票があり、自治体や作品権利者らと協議して聖地を決定した。今回は海外からの投票比率が63%と多く、中国、香港、台湾、米国、タイと続き、同協会は「昨年より『行ってみた』比率がアップした国・地域が多く、特に中国語圏でその傾向が強い」と分析している。
函館はこれまでに、土方歳三らが登場する人気ゲームでアニメにもなった「薄桜鬼 真改」の聖地に3年連続で選定されている。函館でのエピソードも放映された「ラブライブ!-」は静岡県沼津市に続く聖地として加わった。道内では苫小牧市「僕だけがいない街」、洞爺湖町「天体(そら)のメソッド」が選ばれている。
また、成田空港や都内には「番札所」という聖地の場所や作品を紹介する情報発信の拠点があるほか、同協会などによってインバウンド向けの「聖地巡礼ツアー」商品の開発・販売も行われ、聖地認定が新たな観光客発掘につながる可能性もある。
日本航空(JAL)函館支店などは9月から11月10日まで、「ラブライブ!-」の市内の聖地を巡るAR(拡張現実)スタンプラリーを展開した。函館でも徐々にアニメを活用した取り組みが広がりを見せ始めている。市観光部観光誘致課の寺澤輝義課長は「アニメツーリズムの推進方法や他の聖地の成功事例を学び、今後の取り組みを検討していきたい」と話している。(今井正一)