函館への寄港回数が今夏で100回を超えるなど市民になじみの深い豪華客船「飛鳥II」(5万142トン)を運航する郵船クルーズ(横浜)は来年9月、初めて函館発着のクルーズツアーを実施する。市は客船発着港としての活用促進を目指しており、初のツアーを歓迎。宿泊などによる経済効果にもつなげたい考えだ。(小杉貴洋)
ツアーは来年9月4~6日の2泊3日で、2日目には釧路に寄港する。名称は「函館集合!秋の釧路ウィークエンドクルーズ」。同社のクルーズとしては道内港を発着するのは初めて。
同社は横浜や神戸など大規模港に加え、近年は仙台港(宮城県)など地方港でも発着ツアーの数を増やしている。函館は新幹線と飛行機などのアクセスがそろっていて、観光地としての魅力もあることから、「東北や北関東など人たちなど新たな顧客獲得につなげられる」とみている。
市港湾空港振興課は「クルーズ前後の宿泊の増加も予想されるので、これまで以上の経済効果が期待できる」という。また、例年は4~5回、今年度だけで8回も寄港した飛鳥IIが発着港として函館を選んだことについては「とてもうれしい。一度だけでなく、長く続くように努力したい」と意気込む。工事の進ちょく状況によっては若松埠頭での受け入れもできるようになるという。
ツアー料金は、2人1室利用の場合の1人分が11万2000~54万6000円で、来年1月10日に発売予定。道内150人、東北150人、首都圏500人の計800人の乗客を見込む。同課は「たくさんの人に参加してもらい、クルーズの魅力に触れてほしい」としている。