【森】全国各地に点在する「駒ケ岳」に親しむ山岳文化団体「駒ヶ岳ファンクラブ」(田口計介会長)のメンバーが7日、道南の秀峰・北海道駒ケ岳(1131メートル)を登った。田口会長(79)=横浜市=らが参加し、7人が馬の背(900メートル)まで到達した。
同会は1989年に発足し、全国に約60人の会員がいる。国土地理院の地形図に掲載された「駒ケ岳」は18山あり、これまでの活動で、古地図や文献などから読み解き、旧名称や別名としての「駒ケ岳」がさらに12山あることを確認した。各地で登山や研究を進め「駒」への親しみを深めている。
今回の登山会は当初、昨年の同時期に計画していたが、直前に胆振東部地震が発生し中止となった。改めて企画し、関東から9人が来道。前日は会員で七飯町出身の黒崎悠爾さん(79)=東京都渋谷区=の案内で大沼周辺の観光も満喫した。
赤井川6合目から8人が登山を開始し、7人が馬の背まで到達した。山頂付近は雲がかかり、切れ目から見えそうで見えない剣ケ峰に思いを残しながら下山。眼下の大沼の景色や植生の回復が進む登山道周辺の様子を楽しんでいた。
15山目の駒ケ岳となった原田勝之さん(74)=同県大和市=は「皆さんと一緒に楽しい旅でした。細く長く続けたい」と話し、別の会員も「きれいな山容で登りがいがあった」「来るたびに発見がある」などと話した。田口会長は「元気なうちは駒ケ岳文化を広めていきたい」と話していた。(今井正一)