函館大(野又淳司学長)は、道南地域の食の輸出拡大に向けた研究の一環として、台湾からの観光客が道南産の野菜を手荷物で持ち帰るための実証実験を行う。7日に津金孝行准教授(経営情報システム論)と学生11人らのチームが函館-台北の航空定期便を利用し、実際に台湾に野菜を持ち込めるか調査する。
日本から海外に野菜や果物などの植物を持ち込むには、病害虫などの侵入を防ぐため、持ち込み先の国や地域の規則に従わなければならない。日本から台湾に航空機で手荷物として持ち込む場合、果物は全て禁止、葉菜や根菜などは事前に植物防疫所に持ち込み、台湾が要求している検査を経て、合格証明書を取得する必要がある。
函館大の調査チームは、サツマイモ、ナガネギ、タマネギ、アスパラガス、ナガイモ、ハクサイ、キャベツ、ダイコンなどの野菜を函館港湾合同庁舎(海岸町)内の横浜植物防疫所札幌支所函館出張所に持ち込んで証明書を申請。検査が通った野菜を函館空港から台北の国際空港植物検疫所を通して持ち込む。津金准教授によると、実績のない野菜もあり、日本の検査をクリアしても台北の検疫所を通らない可能性もあるという。
また、10、11日には、函館大と学術交流連携協定を結ぶ長栄大(台南)の学生とワークショップを開き、持ち込んだ野菜の試食会やアンケート調査、台湾の食文化の聞き取りなどを実施する。
函館大の佐藤郁生さん(2年、19)は「1月に台湾に行った時、青森産のリンゴ2つが1400円ほどで売られていた。どの道南産の野菜が台湾の人に受け入れられるかを探っていきたい」、對馬圭一郎さん(2年、20)は「観光客が気軽に野菜を海外に持ち込むには高い壁があるが、その対応策も考えていきたい」と話している。(金子真人)