骨粗鬆症を治療して健康寿命を延ばしましょう
昔は骨折の治療が終わると治療も通院も終了という時代がありましたが、現代は骨折が治っても骨粗鬆症の治療が必要だということが分かっています。骨粗鬆症による骨折は背骨(脊椎圧迫骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位部骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、腕の付け根(上腕骨近位部骨折)に起こりやすく、骨粗鬆症の人が一度骨折すると、次々と骨折が起こりやすくなります。骨折をきっかけに要介護や寝たきりの状態となり、本人がつらいだけでなく家族に負担を強いることも少なくありません。骨折は健康寿命を短くする大きな要因となっています。そのため骨折が治っても次の骨折が起こらないよう、骨粗鬆症の治療を続けることが大切です。
近年の骨粗鬆症治療は医師の診療だけでなく、骨粗鬆症マネージャーという医療スタッフが中心となり、チームで治療の支援をしています。骨粗鬆症マネージャーは日本骨粗鬆症学会の試験に合格した者に与えられる認定資格で、医療系国家資格を持っていれば条件を満たすと受験することができます。
骨粗鬆症治療を開始する際に看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士などが専門的支援をしたり、入院の骨折治療が終わり退院や転院する際に骨粗鬆症の治療が続けられるようにすることも役割の一つです。さらに骨折前の骨粗鬆症の早期発見のため、検診の啓発にも力を入れています。日本の骨粗鬆症検診率は5%と低く北海道では1%です。日本のがん検診率が約40%なので、比べてみてもその低さがわかります。特に閉経後女性は骨粗鬆症になりやすく、糖尿病や甲状腺などの内分泌疾患や慢性腎臓病、閉塞性肺疾患、リウマチなどの人もリスクが上がります。骨粗鬆症に関しての質問などは骨粗鬆症マネージャーにお気軽にご相談ください。
(ハコラク 2019年9月号掲載)
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