歯科衛生士の生業
歯科衛生士と聞くとどのような印象を持ちますか?「歯科医院で働く看護師さん」「歯をきれいにしてくれる人」という印象でしょうか?実際は違います。歯の病気における2大疾患、「虫歯」と「歯周病」が挙げられますが、この歯周病治療において大きな存在なのです。
毎年アメリカのニュースであらゆる職種の雇用数や給与などさまざまな項目にわたって分析を行いランキング付けした「The BestJobs」が発表され、アメリカでの歯科衛生士の職種ランキングは医療職種の中で第2位です。最近は日本でも予防歯科医学に理解が深まり歯科医療に対する価値観は、アメリカやスウェーデンと同じレベルで理解する歯科医院が増えてきています。予防歯科医学に精通した歯科医院で働く歯科衛生士は患者に正面から向き合い、健康維持のため「やりがい」を持って仕事をしています。これからの日本の歯科医療は確実に予防歯科医学の方向へ向かい、健康維持を推進できる歯科衛生士が必要な時代になります。
これはブームなどではなく人が生きて行く限り「健康でありたい」という人間の欲望を考えると自然のことです。近年、多くの調査から歯周病が全身の健康に深く関係していることがわかりました。とくに歯周病とメタボリックシンドローム、糖尿病との関係においては最重要項目として捉えられています。メタボリックシンドローム判定基準の数値が高いほど歯周病リスクが高まるという研究結果があります。また、糖尿病は歯周病が症状を悪化させることから、糖尿病患者に歯周病治療を行ったところ、インスリンの働きが活発になり血糖値の改善が認められたことが報告されています。
歯周病を適切にコントロールする唯一の生業は歯科衛生士です。優秀な歯科衛生士がいるクリニックは歯周病に対して真面目に真摯に向き合っていると言って良いと思います。歯科衛生士の仕事は皆さまの体の健康を守る重要なものです。
(ハコラク 2019年9月号掲載)
略歴
平成16年、岩手医科大学を卒業。平成18年、同大学口腔顎顔面再建学講座入局。平成19年、同大学大学院に入学し、平成23年に卒業。道内外の歯科勤務を経て平成28年、シュンデンタルクリニック開院。岩手医科大学非常勤講師。SJCD(Society of Japan Clinical Dentistry)理事。歯学博士。
シュンデンタルクリニック
函館市石川町461-38 ☎0138-47-3737
http://shundc.jp
■診療科目/歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正歯科
■診療時間/9:00~18:00
※水・土曜は14:00まで
■休診日/日曜・祝日