アレルギーマーチって何?
アレルギーの代表的な疾患としてアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)、じんましんなどが知られています。アレルギーは年齢とともに症状が変化していく病気で、両親のアレルギー歴など遺伝的な要因、食べ物や環境汚染、ウイルス感染などの環境要因が複雑に絡み合って発症しますので、誰一人として同じ経過をたどる事はありません。
生まれたばかりの子供は、免疫や胃腸などが未熟で、成長に応じて影響を受けるアレルギーの原因物質も変化していきます。このようなことから、子供の成長に伴って発症しやすいアレルギー疾患が変化する「アレルギーマーチ」がおきるのです。
乳児期はアレルギーマーチの始まりで、食物は最初に出合うアレルゲンと言われています。しかし、体の成長とともに胃腸も発達し免疫力が強くなってきますので2~3歳になると食物アレルギーが改善してくる事が多く、結果的にアトピー性皮膚炎が軽快していきます。また、保育園などに預けられるような頃から、痰がらみの咳や鼻水を繰り返すようになります。ウイルス感染を繰り返すうちにハウスダストやダニなどのアレルゲンに対し敏感に反応するようになって、気管支喘息の患者さんの8割ぐらいが3歳までに発症していると言われています。学童に上がる時期になると、かなり体も丈夫になってきますが、外での活動が増えるこの時期は、花粉やほこりとの接触の機会が多くなりくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどアレルギー性鼻炎が発症します。ほこりなどの吸入性抗原は気管支喘息にも関連しますので、鼻炎と喘息は切っても切れない関係と言っても良いでしょう。
咳や鼻水が長引く、繰り返す、重症化しやすい場合はアレルギー体質が隠れているかもしれません。ご両親や兄弟が喘息や鼻炎の診断を受けている場合は、ぜひかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。適切な医療を受けられることによって症状の改善が期待できます。
(ハコラク 2019年8月号掲載)
略歴
昭和62年、埼玉医科大学卒業後、東京都立清瀬小児病院、小川赤十字病院、厚生連熊谷綜合病院を経て、平成10年から14年まで函館五稜郭病院に勤務。平成15年五稜郭ファミリークリニック小児科開院。
五稜郭ファミリークリニック小児科
函館市柏木町11-10
☎0138-31-6660
■診療科目/小児科、アレルギー科
■診療時間/月~金8:45~12:00、14:30~18:30
※水曜の14:30~15:30は乳児検診
土 8:45~12:00
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