みずむしの話
夏になると足が痒くなり「みずむし」を心配して皮膚科に来られる方が多くいます。みずむしの原因は白癬菌というカビの一種であるため、高温・多湿の夏はみずむしにかかりやすいのです。今回は診療をしていて、よく質問をいただくことについて説明します。
「どこでかかったのでしょう?」温泉やスポーツジムなど多くの方が裸足で利用するところには、みずむしの菌がいるといって良いでしょう。また、家族にみずむしの方がいらっしゃるとバスマットやトイレのスリッパなど家族共同で使うものに菌は潜んでいます。そして足に菌が付着して約1日経つと皮膚の中に入り感染します。
「痒いところにお薬をつければ良いのでしょうか?」みずむしは痒いというイメージがありますが、実際には痒くないことが多く、発疹が出ていないところにも菌がいます。足の裏と指の間全部に、最低でも1カ月塗ってください。
「足にお薬をつけると手にうつることもありますか?」ありますが、足と比べると手はなりにくいです。先ほど述べたように菌が皮膚についてから1日は感染しませんので、お薬をつけた後は手を洗えば大丈夫です。
「みずむしのお薬をつけていたら逆に痒くなってきました」最近のみずむしのお薬はよく効きますが、お薬の成分にかぶれる方が時々います。さらに市販のみずむし薬には菌を退治する成分のほかに痒み止めや麻酔薬、スーッとするハッカなどさまざまなものが入っていて、それらの成分にかぶれてしまう方もいます。また、足が痒くても、汗疱や掌蹠膿疱症のこともあり、これらは別の皮膚病ですので当然、みずむしのお薬は効きません。皮膚科にて検査すれば5分から10分で結果もわかりますので、受診されることをおすすめいたします。
(ハコラク 2019年8月号掲載)
略歴
愛媛大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院、東邦大学医学部附属大森病院、昭和皮膚科クリニックなどの勤務を経て、平成18年3月、みなとまち皮膚科菊地医院開院。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
みなとまち皮膚科菊地医院
函館市亀田港町39-7 ☎0138-40-3710
http://minatomachiderma.ec-net.jp/
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