「病は気から」が研究で証明
「病は気から」という言葉が近年の研究で証明された事をご存じですか?ペインクリニックでは「病」というよりは「痛み」に焦点をあてていますが、通じる部分があるように感じます。同じけがや病気を経験しても、痛みの感じ方は人それぞれです。そのため「痛がりすぎだ」と言われ、自分の痛みを理解されないつらさと、痛みそのもののつらさを抱えてしまうことも少なくありません。痛みのきっかけとなるけがや病気が治っているように見えると「いつまで痛がっているの」と、家族や周囲の人だけではなく医療者側からも理解されず、より追い詰められる方もいます。 正常な痛みの反応では、腕をつねると腕から脳へ信号が伝わり、脳が痛みを認識します。つねるのを止めると痛みも消失します。しかし、つねられている強さ以上に痛みを感じたり、つねるのを止めても痛みが続くことがあります。これが病的な痛みです。痛むことで安静を続けていると、筋肉がこわばり血流も停滞し、組織が酸素不足となることで痛み物質が産生され、さらに痛みが増強拡大する悪循環となり、慢性痛となるのです。
「また痛むと思うと怖くて何もできない」と、痛みにしか目が向けられなくなり、睡眠も十分にとれず、うつ状態にまで陥ってしまうこともあるのです。ペインクリニックでは注射や投薬、運動療法などで痛みの悪循環を断ち切ることを目指します。
具体的にはブロック注射や痛み止めの内服により痛みを軽減させ、運動療法で筋肉を緩め血流の改善を図り、周辺組織に酸素を供給し、蓄積した痛み物質を洗い流しその産生も防ぎます。さらに睡眠を促す薬で体と脳を休息回復させながら、下行系抑制系を回復させます。痛みに支配された思考から、痛みの外の世界にも目を向けられるようにお話を聞いていきます。
痛みと戦っている方、諦めている方、ペインクリニックに行ってみてはいかがですか?
(ハコラク 2019年8月号掲載)
略歴
昭和55年、岩手医科大学卒業後、同大附属病院麻酔科助手、昭和62年、函館五稜郭病院麻酔科、平成元年、函館脳神経外科病院を経て平成2年、やなづめ医院開院。日本麻酔科学会麻酔科専門医。
やなづめ医院
函館市日吉町3-43-20
☎0138-32-5000
■診療科目/ペインクリニック内科、リハビリテーション科、麻酔科(簗詰泰彦)
■診療時間/〈ペインクリニック内科〉8:30~11:30、16:00~19:00
〈リハビリテーション科〉8:30~12:00、15:00~19:00 〈麻酔科〉8:30~11:30、16:00~19:00
〈理学療法〉8:30~12:00、15:00~19:00
※いずれも水・土曜は午後休診
■休診日/日曜・祝日