中型イカ釣り漁船を操業する「天海」(函館市西桔梗町、西谷憲夫代表)の出港式が5日、函館豊川ふ頭で開かれ、同社所属の3隻が大勢に見守られながら、イカを求めて漁場の大和堆(日本海中央部)に向け出港した。
この日出港したのは幸雄丸(184トン)と潮雄丸(同)、松耀丸(166トン)の3隻。これまで操業していた光慎丸(169トン)が老朽化のため引退したことで、昨年と比べ1隻の減となった。
港では豊漁と安全を祈願する祭事を執り行い、乗組員の家族や取引先など約350人とともに餅まきをした。その後乗組員一人一人の名前や出身地が紹介され、温かい拍手とともにエールを送った。駆け付けた工藤寿樹函館市長も「これらの船は函館の水産加工業界にとってとても大事な存在。函館のために頑張る皆さんを応援しています」と励ました。
その後は函館大谷短大附属認定こども園の園児ら59人が乗組員に「おいしいイカが楽しみ」「安全に気を付けて」などと声をかけ、全員で紙テープを手に出港を見届けた。幸雄丸の島森憲一船頭(72)は「イカの漁況は今年もあまりよくないようだが、北陸などではそれなりに取れているとも聞いている。こればかりは行ってみないと分からないが、豊漁を期待したい」と話し、大勢の期待を受け函館を離れた。(野口賢清)