【松前】「松前さくらまつり」会場の松前公園を訪れていた観光客の飼いネコ「はな」(推定2歳)が4日朝に失踪し、町職員らの尽力で5日後に飼い主の元に戻る騒動があった。飼い主は「松前は人がやさしくてとてもいい町。感謝しています」と話している。
飼い主は、十勝管内幕別町の会社員、山口詞絵(のりえ)さん。山口さんと「はな」は、夫の修さん(52)と、飼い犬「しゅう」(推定9歳)とともに3日から6日までの日程で道南を訪れていたが、松前町役場裏の馬坂付近で、「はな」が突然修さんを噛んで逃げ出したという。
山口さん夫妻は迷いネコのチラシを貼りだすなどして探し回ったが手がかりはなかった。翌5日からは町町民生活課長の川合秀樹さん(56)ら町職員も捜索に協力したが、見つからないまま連休最終日の6日を迎え、山口さん夫妻は「また探しに来ます」と松前を離れた。
手がかりが見つかったのは8日朝。町の女性職員から「福山の住宅地で見た」という情報が入り、川合さんがマグロ缶を置いたところ、この日の夕方、元気な姿でマグロを頬張る「はな」を発見、無事保護された。
「はな」は一晩、川合さん宅で預かり、翌日に山口さんに引き渡された。山口さんは「元野良猫のせいか、やんちゃで活発で、でも人懐こい子でよかった。私たちが川合さんに会っていなければ見つからなかったかも」といい、「松前にはまた絶対行きます」と話している。(神部 造)