【松前】町は1日、松前公園で「地域さくら命名セレモニー」と「新元号記念植樹」を開いた。松前のサクラ育成に尽力した浅利政俊さん(88)=七飯町=と町民ら100人が、長年かけて築き上げてきたサクラ文化を次の時代に引き継いでいくことを誓った。
浅利さんは松城小学校教諭時代からサクラの育種に取り組み、松前で100以上の独自品種を育成。そのほかにも、品種登録していない無名のサクラも多数あり、町はこのうち23本に町内各地区の名前を命名することにし、昨年12月の選考会で各町内会に命名権を割り振った。セレモニーでは石山英雄町長が伊達猛町内会連合会長にサクラの札を交付し、各町内会長が木に札を取り付けた。
新元号の出展である「万葉集」にちなみ「奈良八重桜」の記念植樹も行い、松前サッカー少年団の熊谷爽君(11)が、浅利さんから苗木を受け取った。浅利さんは公園内の桜見本園で石山町長、サッカー少年団の子どもたちと植樹し、「サクラをめぐる歴史、文化に心を寄せながら、“讃桜文化“を担ってほしい」と次世代への思いを語った。
セレモニーには、松前高校書道部が「令和」と出展元の序文「初春の令月~」の書を寄せた。(神部 造)