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函館港に新時代到来 若松埠頭にクルーズ客船が初接岸

 昨年10月に暫定供用が始まった函館港若松埠頭(ふとう)の客船専用岸壁に16日、第一船となるアザマラ・クラブ・クルーズ社(米)の「アザマラ・クエスト」(3万277トン)が初接岸した。JR函館駅からわずか約300メートルの場所に姿を現した迫力ある船体は、今年で開港160年を迎えた函館港の新時代を印象付け、関係者が盛大なセレモニーで歓迎した。
 約630人の客を乗せた同船は午後1時40分ごろ接岸。ともえ大橋や岸壁周辺では多くの市民が徐々に近づく船の姿を見守り、盛んにカメラに収めていた。
 下船した乗客は、地図を片手に次々と市内観光へ。待機していた大型バスやタクシーへの誘導もスムーズで、準備を進めてきた市港湾空港振興課の鶴岡崇男主査は「特に問題なく安心した」と胸をなで下ろした。
 同社が運航する客船の函館寄港は初めて。2017年に官民トップが米国の本社を訪れ、寄港を働きかけたことで実現した。
 関係者約20人が出席したセレモニーで片岡格副市長は「こんなにも早くお迎えできたことをうれしく思う」とあいさつ。ペレ・ハーレン船長は「新しい埠頭に入港する第一船となったことは光栄だ」と応じた。
 市の中心部への客船寄港を経済界も歓迎。セレモニーの前に岸壁を訪れた函館商工会議所の久保俊幸会頭は「トップセールスの成果が出てうれしい。駅前の一層のにぎわいにつながる」と期待を寄せた。
 専用岸壁の目の前にある函館朝市は市と協力し、横断幕やフラッグを掲げて歓迎の意を示した。函館朝市協同組合連合会の藤田公人副理事長は「クルーズ客船は港町函館の今後の看板になる。受け入れ準備はこれまでも進めてきたが、一層加速させたい」と話した。
 係留岸壁は国と市が約46億円の総事業費を見込んで、16年11月に着工。総延長360メートルのうち225メートルが完成し、今年は4万トン級までの客船延べ17隻が接岸する。本格供用の開始は22年度の予定。(山田大輔)










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