日本プロ野球機構は7日、2019年のパ・リーグ公式戦日程を発表した。これまで函館市のオーシャンスタジアムで年に1試合開催していた北海道日本ハムファイターズ戦は来季、実施されない。同球場のグラウンド環境が悪く、選手のプレーに支障が出ると判断した球団側が開催を見送った。ファンからは落胆の声が上がっている。(山崎純一、山崎大和、金子真人、稲船優香、小林省悟)
球団担当者2人が6日、市教委を訪れ、来年の函館開催を見送る方針を伝えていた。理由は2つで、1つはスタンドの収容人員不足(公表2万人)、2つ目はプレー環境の老朽化で、特に内野グラウンドの土が硬いことなどで、選手のプレーに支障をきたすことが挙げられた。改善に向け、市教委は16年度に球団側から口頭で、17年度には要望書を受け取った。今年度は両者で継続協議中だった。
同球場は1951年に開場。92、93年度に全面改修したが、その後、大きな改修は行っていない。道内では釧路市が10~16年に球場の状態が悪いことなどで実施されず、同市は改修を行い昨年から復活し、来季は2試合を行う。
ファイターズの函館開催は、球団が本拠地移転した04年に初開催。05年は無かったが、07~12年は2試合を週末に行い、11~12年の観客は2万人を超えていた。13年から平日の1試合で、14年からの観客は約1万1000人で推移していた(主催者発表)。
市教委スポーツ振興課は「残念だ。19年度以降に向け施設改修の在り方について検討中。管理者の市文化・スポーツ振興財団と連携し、環境を整えて函館開催を復活するよう努力したい」としている。球団側は函館新聞の取材に対し、20年以降の開催は「改修が実現すれば検討する」とした。
毎年道内から大勢のファンが訪れることで、観光関係者にとっても衝撃が大きい。函館国際ホテル(237室)の佐藤則幸総務部長は「平日に市外から多くの方が訪れるイベントだけに残念。再来年には開催してもらえるよう期待したい」と肩を落とす。
鍵谷陽平投手の出身地、七飯町にある「北海道日本ハムファイターズななえ後援会」の手代森捺音子会長は「札幌まで行けないファンもいるので改修、対策をしっかりして20年は絶対に開催してほしい」、函館市本通の自営業、大村和幸さん(65)は「年1回のプロ開催のために大きな改修費用は難しいと思うが、地元の野球振興、発展のため何とかしてもらいたい」、市スポーツ少年団の白木荘太本部長(79)は「函館にプロが来るというだけでも子どもにとってうれしいもの。早く改修し、子どもたちのためにも土、日曜の開催を望みたい」と話していた。