北海道胆振東部地震の影響で、道内の電力が供給不足となっている中、函館市内の店舗や観光施設では節電の取り組みを進めている。北海道電力は再度の大規模停電や計画停電の回避に向けて「節電タイム(平日午前8時半~午後8時半)で平常時よりも2割の節電をお願いしたい」と協力を求めている。(金子真人、山田大輔、木村京子)
JR函館駅前の百貨店・棒二森屋(若松町)は、9日からエスカレーター付近の照明を消灯。店内の冷房設定温度を2度上げたほか、屋上からのサーチライトも取り止めた。担当者は「要請があれば、一層の節電も検討したい」と協力する考えだ。
函館蔦屋書店(石川町)は14日まで、午前7時~翌日午前1時の営業時間を午前9時~午後9時に変更。業者用の荷受けスペースの照明を間引いており、必要に応じて店内照明の消灯も検討している。
五稜郭タワー(五稜郭町)は、日没から午後10時まで実施している塔体のライトアップを中止している。担当者は「従業員も、普段にも増して省エネを心掛けるようにし、節電に協力していきたい」としている。
函館山ロープウェイ(元町)では、閑散時間の午前10時から午後3時ごろまで、通常は平日15分、土日10分間隔の運行を20分間隔に変更した。営業企画部の水口貴博部長は「節電に向けた取り組みを進めながら、お客さまが安全で快適に過ごしていただけるよう努めていく」と話している。
函館市も各家庭での節電を呼び掛けている。市環境部は節電に関して①不要な照明を消す②使用していない電気機器はコンセントを抜く③テレビの照度を下げる④冷蔵庫の設定温度を控えめにして扉の開閉時間や食品の詰め込みを減らす―などの方法を推奨。同部は「一人一人が節電に対する緊張感と自覚を持って協力をお願いしたい」としている。