6日に発生した北海道胆振東部地震で、政府が道内の家庭や企業に20%の節電を要請したことを受け、道南の官公庁や商業施設、病院などは10日、節電の取り組み内容を決め、実行に入った。函館市電も節電ダイヤに移行。どの事業所も市民サービスに影響が出ない範囲で、可能な限り協力する考えだ。
函館市総務部によると、本庁舎1階の市民ホールの水銀灯を一部消灯、中央エレベーターの運行を4基から2基に減らすほか、執務室や廊下のこまめな消灯・間引き、本庁舎の夜間ライトアップの自粛、職員用パソコンの電源をこまめに切るなどを決め、当面の間実施する。また、各部局にも所管施設の節電を呼び掛け、きめ細やかな管理を求めている。
市競輪事業部は、函館競輪場本場の建物について2階以上を閉鎖し、車券発売端末の縮小や空調の停止など対応に乗り出した。
また、渡島総合振興局も庁舎内の照明を間引き、空調を停止した。桧山振興局は江差町内のスーパー2カ所で街頭啓発を行った。
市は市民、企業向けにもホームページやANSINメールを使い、節電に関し広報している。市総務部は「電力需給の状況を見極めた上で、元に戻すタイミングを考える。計画停電になった場合は、東日本大震災発生時と同様に、数値目標の設定も検討する」としている。
市企業局交通部は10日から、市電の運行本数を減らす節電対策を始めた。平日午前9時~午後4時の間、運行間隔を1~2分空け、通常よりも1日当たり計8本の運行を減らす。
運行間隔は、湯の川―十字街で6分から7分に、十字街―谷地頭、十字街―函館どつく前はそれぞれ12分から14分に変更した。間引き運行は東日本大震災以来。同部は「通勤や帰宅時間帯は避け、節電の必要がなくなるまで続ける」としている。
商業施設も節電営業に取り組み始めた。丸井今井函館店は7日にバックヤードや倉庫の照明を消灯。9日からは2基あるエレベーターの1基の運転を午後4時で停止した。テーオーデパートは8日から、1階サンシャワー広場に設置しているテレビ9台のうち、8台の電源を切った。MEGAドン・キホーテ函館店は、14日まで閉店時間を2時間繰り上げ、午後10時までの営業とする。
また、市内の総合病院は、診療に支障がない範囲で不要な照明の消灯、昼休み時間のパソコン使用休止、スタッフは階段を利用するなど、電力消費を減らす努力をしている。(山崎大和、深津慶太、山田大輔、木村京子)