津軽海峡フェリーは、青森午前6時20分発函館着「ブルーマーメイド」が、フェリーと陸地をつなげる「可動橋」が停電で使用できないため、海上で待機した。船艇タンクから海水を抜くなどして可動橋との高さを調整し、約1時間遅れの同7時半ごろに着岸。発着の時間を調整しながら運航を再開した。
構内の発券カウンターでは社員が手売りで対応に追われ、多くの人で混雑した。道内観光で3日から来函していた茨城県の男性(75)は「ホテルの7階にいたので、地震はびっくりした。今日(6日)は札幌市に行く予定だったが、茨城に帰ることにした。台風もあって踏んだり蹴ったり」と残念がった。
青函フェリーは台風の影響で不定期運航となったため、予約が取れず、チケット売り場は混雑。屋外でも日陰に座り込んで待つなど、人であふれた。すでに各便いずれもほぼ満員だという。
山形県米沢市から同僚ら11人と研修旅行で来函した島貫伸也さん(45)は予約待ちでごった返した待合所で困惑気味の表情。帰路に予定していた北海道新幹線が運休と知り、やって来たものの「津軽海峡フェリーも長蛇の列で予約できなかった。ここも空き待ちの状態で帰省の見通しも立てない」と話す。「宿泊先も見つかるかどうか」と不安そうな表情で待ち続けていた。