JR函館駅では、午前中からJR函館線や北海道新幹線、道南いさりび鉄道の運行状況を確認する利用客で混み合った。
札幌行きの特急「スーパー北斗」や新函館北斗駅からの北海道新幹線の運休が次々と決まる中、券売機も動かず、通常業務ができないため、駅員が払い戻し証明の手続きを手作業で行った。正午過ぎには高梨潤駅長が電力復旧のめどが立たない以上、運行の見通しもつかないことなどを説明。駅舎を終日開放することを決めた。新幹線で本州に渡ることを諦めて、フェリー埠頭(ふとう)に向かう人の姿もみられた。
午前中の早い段階では、駅前で待機していたタクシー運転手と交渉し、相乗りする人を探して、タクシーで札幌方面に向かう人の姿もあった。札幌市厚別区の主婦(58)は5日も台風21号の影響で函館に足止めとなっており「ホテルに長く滞在できそうにないので自宅に戻りたい」と話した。
一方、「札幌まで11万円と言われた」と話す人がいたほか、燃料補給の見通しが立たないため、ドライバーに函館近郊を超えて走行しないように指示を出したタクシー会社もあった。(今井正一)