函館出身の作家・佐藤泰志(1949~90年)の同名小説を原作とした映画「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督)が25日、函館市民映画館シネマアイリス(本町22)で先行公開された。夜の上映に急きょ三宅監督が駆け付け、来場者に「登場人物と同じ空気を感じるような時間になれば」と語った。
作品は、函館の書店で働く「僕」(役・柄本佑さん)と失業中の友人「静雄」(染谷将太さん)、「僕」と同じ書店で働く「佐知子」(石橋静河さん)の3人の人間模様を描いた青春映画。
青森県弘前市から訪れた教員の成田清文さん(63)は「佐藤泰志の20年来のファン。作品の舞台を佐藤にとって欠かせない函館に移し、どう作品が変化しているのかとても期待している」、函館市内看護師の30代女性は「希望を持てる作風で、この後も何度か見にきたい」と話していた。
同館の菅原和博代表は「公開日を迎え、感慨深い。これからは観客一人一人の映画になるよう、羽ばたいてほしい」と期待を込める。あいさつで主演の3人からのメッセージを紹介した三宅監督は「映画館でしか味わえない感情を持ち、映画を通じて友達、恋人などで盛り上がってもらいたい」と話していた。
上映は午前11時10分、午後1時5分、同7時の3回。上映期間は未定。問い合わせは同館(0138・31・6761)へ。
26日は午前11時半から、本町のシエスタハコダテで三宅監督のトークショーが開かれる。(蝦名達也)