江戸時代末期の米国ペリー艦隊の函館来港にちなんだ「第10回ペリーボート競漕」(実行委主催)が29日、函館港若松南ふ頭で開かれ、参加者は往復約150メートル先のゴールを目指し、ボートを力いっぱい漕いだ。
艦隊来港時、日本の役人が手漕ぎ船で米国の旗艦に横付けしたという史実を参考に、函館港まつり(8月1~5日)の協賛イベントとして開催。一般の部に42組、女性の部に10組が参加し、2~3組によるトーナメント戦で順位を競った。
長さ8・5メートルのボートに、漕ぎ手6人が船の左右に分かれ、先頭にドラの叩き手、後方にかじ取り役が乗り込んだ。合図とともに一斉に漕ぎ出し、約90メートル先で折り返す。途中で勝負が決するレースもあれば、最後に追い抜くレースもあり、岸壁から歓声が上がっていた。
一般の部は、初出場の「ビッグゲート」が優勝。かじ取りを担当した根岸健さん(54)は「20~30代の力のある漕ぎ手とスピードを落とさないで回頭できたのが良かった」と振り返った。
女性の部では、上ノ国町の「汐吹女性部」が連覇を達成。仲澤嘉彦監督(59)は「女性たちがリズム良く漕いでくれた」、小間優子さん(57)は「まさか連覇できるとは」と話していた。
優勝チームには賞金10万円が贈られたほか、イカや特撮ドラマの悪役などに扮した2チームをファッション賞として表彰した。(深津慶太)