7月にお盆を迎える風習がある函館市内では13日、各所の墓地や寺院を多くの市民が訪れた。心配された雨も上がり、汗ばむ天候となる中、墓石の周りを清掃して、静かに先祖に手を合わせていた。
函館では明治時代は他地域同様に旧暦の7月に当たる8月にお盆を迎えていたが、1917(大正6)年に各寺院が協議して「新暦の7月13日」にお墓参りするように各檀家に伝え、旧市街地を中心に7月のお盆が定着していったとされる。
古くからの墓地や寺院が並ぶ船見町周辺では、朝から墓参客で混雑し、供花の販売店もにぎわいを見せた。函館最古の歴史がある高龍寺では墓地の坂道を上りながら、汗を拭く市民の姿も見られた。はこだて子ども歌舞伎を主宰する市川団四郎さん(78)は同寺院を家族で訪れ、義父で初代の市川団四郎(1906~88)らが眠る墓前に手を合わせた。市川さんは「来年7月に決まった子ども歌舞伎の公演がうまくいくようにとお参りしました」と話していた。(今井正一)