市立函館博物館(斉藤総一館長)で10日、今年度の企画展「北の昆布展―昆布が支える日本の文化」が始まった。展示は3章に分け、函館や北海道における主要な水産物のコンブについて紹介している。9月9日まで。
博物館と実行委が主催。2015年10月1日~今年9月30日に行っているコンブに関する調査研究の成果の一つで、今回は約150点を展示している。
第1章「昆布とは何か」では、マコンブやガゴメコンブなどの標本を展示。利尻コンブ、日高コンブ、長コンブ、羅臼コンブ、マコンブのそれぞれの生産方法と加工品も紹介している。
「昆布はどのようにして広まったのか」と題した第2章は、北前船で北海道の昆布が運ばれていた史実を伝え、アイヌ民族がコンブ漁をしているびょうぶなども並ぶ。第3章の「昆布はどのように利用されているのか」は、食文化だけでなく、神事や行事に広く使われている実例としてしめ縄、鏡餅、玄関飾りを飾っている。
また、北大が開発したガゴメを使った商品や、函館短大が考案したコンブ料理のレシピ、函館で使われていた磯舟と漁具「マッカ」の展示も。保科智治学芸員は「コンブは食べるだけでなく、おめでたいものの象徴として飾られる文化が日本各地にあり、ぜひ見てほしい」と話している。
関連事業として展示解説セミナー(28日、8月11日)、料理教室(8月11、18、25日、9月1日)、バスツアー(8月9日)、夏休み自由研究「チャレンジ!昆布細工」(28日、8月11日)がある。
16日を除く毎週月曜、17日が休館。午前9時~午後5時(入館は同4時半)。入館料は一般200円、大学・高校生100円、小・中学生50円。問い合わせは同博物館(0138・23・5480)へ。(山崎大和)