相互交通(函館市昭和2、諏訪部利夫社長)は26日から、函館昭和小学校(白幡俊一校長、児童423人)の児童を見守る活動を始めた。不審者との遭遇など児童が助けを求めたい時に、タクシーに手を挙げて知らせると、警察や学校に連絡するなどして対応する。市教委によると、タクシー会社と小学校が協力して見守り活動に取り組む例はないという。
同社は約200台のタクシーを運行。このうち198台は、前方部分に「防犯パトロール中」と書かれた黄色い横幕が取り付けられ、側面には「SOS救援タクシー」と記されている。
各車両には函館中央署などが監修したチェックシートを搭載。運転手が児童に事件や事故の内容を聞き取るとともに、場合によっては警察署や交番に連れていくという。
児童には今月、緊急時はタクシーに知らせるよう呼び掛ける名刺大のカードを配布。26日は見守り開始に合わせ、同社の運転手らがタクシーと共に同校を訪れた。1~2年生128人を前に諏訪部社長は「怖い目に遭ったら、遠慮なくこのタクシーに手を挙げて」と話した。
白幡校長は新潟県の女児殺害事件などに触れ、「大人が子どもをどうやって守るかが課題。困った時には人に頼ることも大切。何かあったら勇気を出して知らせて」と児童に呼び掛けた。
諏訪部社長は「新潟の事件後すぐに小学校へ相談して実現した。他の小学校でも取り組みを広げたい」と話していた。(深津慶太)