【七飯】日乃出食品(町緑町3、工藤英洋社長)が豆腐を移動販売する直販事業「Jimo豆腐Soia(ジモトウフソイア)」が12日スタートした。道南産大豆のみを使った香り高い濃厚な味の「生豆腐」を車に積み込み、地元住民にPRしていく。
スーパーでの卸販売ではさまざまな種類がある豆腐が淘汰されていくという懸念から、客と対面で販売する直販に着目。同社が函館から七飯に本社を移転した2006年から構想を温め、長崎県の豆腐店の事例を参考にして新たに事業を立ち上げた。売り上げの年間目標は1000万円。
生豆腐は加熱殺菌していない分、うま味が逃げないのが特長。全て手作りで製造量が多くないため、価格は一般的な豆腐に比べ2倍程度だが、道南産の素材にこだわるなど付加価値をつけて販売している。
この日は道の駅「なないろ・ななえ」で移動販売車が初お目見え。とろける食感の「よせ」(税別350円)、道南産の塩を使った「しお豆腐」(650円)、滑らかな口当たりの「ざる」(650円)、「もめん」(400円)、「きぬ」(380円)、ハチミツの甘みを楽しめる「トウフデソイア」(380円)、豆乳(450円)の7種が真新しいショーケースに並んだ。 販売スタッフの川口拳弥さん(21)が試食を薦めながら販売を行い、食べた人から「おいしい」との声が続出した。
工藤社長(44)は「自分たちがおいしいと思って作った豆腐を、直接お客さまに説明しながら販売したいとずっと考えてきた。特に地元の人においしさを知ってほしい」と力を込め、「巡回のコースがまだ決まっていないので、気軽に電話していただければ」と呼び掛ける。
移動販売車は火~土曜の午前10時~午後6時、函館市、北斗市、七飯町を巡回し、日曜は2市1町のイベントや祭りに出掛ける。問い合わせはJimo豆腐Soia事業部(080・6735・1487)へ。(稲船優香)